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理性的表現クライシス

これまでの理性的でルールに従順な表現を捨てて、より本能的なものに切り替えることで、既存の表現スタイルを壊して革命を起こそうという試みです。

葬儀と慣れ

夢日記(リメイク版)

 それから何年後かの夏。私は勤め先のビルの百階からエレベーターに乗り込んだ。この機械は少し変わっていて、中にシートベルト付の座席が並んでいる。そして、ジェットコースター並みの勢いで急降下するのだ。

 こんなに飛ばして事故でも起こったら……。そう思うと不安で仕方なくて、毎回決死の思いで乗っている。
 その日、エレベーターは一階を突き抜けて、地下フロアへと私たち乗客を招いた。このビルは一階までのはずなのに。
 混乱しながらエレベーターを降りると、そこは葬儀会場だった。そこで始めて夏休み中に仲間が亡くなっていたことを知った。

 私たちは中学校で出会い、大学で再開し、そして奇跡的に転職先で二度目の再会を果たした。

 そんな特別な人が亡くなったというのに、周りの社員が泣き崩れる中、私だけは慣れた調子で葬列に参加していた。というのも、私はなんだか上から自分たちを見下ろしているような気分で、まるで現実感がなかったからだ。

 もしかしたら、私自身もすでに亡くなっているのかもしれない。そうでなければ、こんなに平静でいられるはずがない。