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理性的表現クライシス

これまでの理性的でルールに従順な表現を捨てて、より本能的なものに切り替えることで、既存の表現スタイルを壊して革命を起こそうという試みです。

りんご飴の完全性を奪う瞬間

「仕事中に立ち寄った駅で、偶然屋台が出ていたんだ」 テーブルの前に落ちつくなり彼は、うれしそうに歯を見せて、手提げカバンから透明のビニール袋に包まれたりんご飴を取り出した。 「お祭りでもないのに?」 「うん。いつも出てるのかな」 袋を留めてい…

テーブルの上の国境線

テーブルの上には国境線が引かれていて、それはたまに消えたり薄くなったりする。線のこちら側が「菜食と無添加の国」なら、あちら側は「自由の国」だ。 私は基本、肉食をしないし調味料も使わない。だから、料理をするのは彼が泊まりにくる週末だけなのだけ…

言葉を必要としない夜

彼と付き合い始めたのは九月の終わりだったけれど、夏がいつまでも駄々をこねていたものだから、すでに夏、秋、冬と三つの季節を共有しているような気になっている。まだ、交際四か月が過ぎたばかりだというのに。 そうでなくとも、彼とは実際よりずっと長い…